時折、心の何処かをふっと掠める不安が諦めに変わるときがある。



現実が余にも合理的で無常だから―



誰も嫌な思いはしたくない、傷つきたくはない。


だからこそ最悪を考慮し前に進む事が己の役割だ、と
全てを割り切る事が出来たなら辛いと思うことはないだろう。


失うことを想像する恐怖が自らを縛りつける。
これで善かったのかと自問自答を繰り返し、分からぬ様に苦しさを隠しながら
触れている温もりに愛しさを感じられることを確認する―


間違う事は許されない。
けれど。。。。もしものことがあった場合は、

『どうか―――この人だけは』と、理不尽な願いを口にした。