+―  tease  ―+










『苛めたくなるのは好きだから。』

そんな思いは誰の心にも芽生えると思わないか?




込み上げる衝動と愛情、苦しさと切なさに顔を歪める君の表情に俺のここは音を立てて軋む――

その恍惚なまでの表情が見たくて少し歪んでいるけど確かな愛情で君の心と身体を紊乱させた。









「は・・ぁ・・・」


酒を飲もうと言われて何の気もなしにその後についていった。
満月が夜空に輝いてとても綺麗な夜で、ベランダで二人隣に並んで飲んでいた筈のに。


「ちょ・・と・、ぁ、やめて」

「別に俺は何もしてないぜ」


と、バルフレアは耳元にフッと息をかけてくる。

本当は隣に居た彼の手が回された時点で何となくでも察しはついてはいたが、
強引に腰を掴まれ後ろから抱きしめるように相手の膝の上に移動させられたが最後。
今の私は彼にとっておもちゃ同然だ。

「外なの。に・・・ッあ」

「何言ってるか聞こえねーよ」

「だから、、やめっ」

拒絶の言葉を口にしようにも身体がゾクゾクと震えて言葉が詰まる。

身体を固定していた腕もいつの間にか服の間を通り素肌に触れていて、
バルフレアの唇は未だに首筋や耳元を挑発するように啄む様なキスをほどこす。

、身体が熱い」

「。。。ッ飲んでるからに、、決まっ、て」

「酔ってるなら醒ましてやる」

「・・・どこ触って・・・ッん!」

胸にたどり着いたバルフレアの指がその膨らみの先を摘み刺激する。
掌で全体を揉みながら強弱をつけた愛撫と耳に感じる熱い息に気が遠くなりそう。

「身体は正直なんだ、お前も素直になれよ」

「ッ―!は、放して!!」

その言葉にカァとなったは強引にその腕を振りほどこうとするが、
強くつなぎとめられ立ち上がることもできず最後には首元を甘噛みされて声すら出なかった。


「っ・・・・ぅ・・・ふぁ」

生暖かい舌先が首筋をなぞり、片方の手はゆっくりと下部へと下がってゆく。
バルフレアはまたの耳元へ息をかけるようにして話す。

「そんな声出してちゃ説得力ねーだろ」

「っ・・・・ん」

「それとも言葉は態度の裏返しか」

「違。。。ッ」


強情なまでのの態度。
それが裏目になりバルフレアは何やら妙案を思い浮かんだのか口角をあげた。


「そんなに嫌ならやめる」


言うと両手をの身体から即座に離したのだ。
身体がずり落ちそうになったは目の前にある手すりに掴まり身を翻しバルフレアを熱に浮いた瞳で睨みつける。


「言われた通りやめただけだ」

「だったらもっと早くにやめてよ!これじゃ―」

ハッとし口を手で塞ぐ。乱れた髪と服を直し足早にその場を去ろうとするのを名前で呼び止める。


、添い寝してやろうか?」

冗談を言うように挑発すればは思いっきりドアを閉めてその場を後にした。

思っていた通りに進んでゆく状況に喉の奥で笑うバルフレア。

必死に繕う姿や恥ずかしさで拒絶するが可愛らしく見えてしまう。
可愛さ余って苛めに奔ってしまったのは致し方ない事だ・・・

「あんなんで、どうするつもりなんだか」

と、相手を心配してる自分も本当はギリギリで。
落ち着かせようと残ったグラスの酒を飲み干しバルフレアもその場を後にした。




部屋に戻るなりベットに突っ伏し枕に八つ当たりする

「どうしてくれるのよっ、バルフレアの馬鹿!」

たったあれだけの事で敏感に反応し、スイッチの入ってしまった身体は火照ったまま。
嫌だと言ったけれど、あれは恥ずかしさから出た言葉のあやみたいなものなのに、と
一人弁解したところでどうしようもなく。

「戻れるわけないじゃない・・・・」

男じゃないけど悶々としている自分。

こんな状況でいつになれば寝れるのよ?!と正直な身体が疎ましく思えた。
いっそ酔いつぶれて寝てしまえと考え、ベットから起き上がり廊下に出ようとしたところだった―

「どこに行くんだ、こんな時間に」

「べ、別に。ただお酒を」

しどろもどろに答えるの手をバルフレアがそっと触れる。

「っ!」

「そんなに過剰に反応して、どうかしたか?」

顔を赤くしバルフレアを追い出そうとその胸を押すが逆に捕われ抱きしめられる。

「本当は何処に行こうとしたんだ」

「だ、、だからお酒を」

「本当か?」

「こんなんじゃ・・・寝れる訳な―」

「どうして寝れないか言ってみろよ」

「知ってるくせに・・・」

「こうなったのも自分のせいだろ」

「・・・だ・・・って・・・ぁ」

体の際をなぞり動く指先にジワリと滲むような声を漏らす

「は、、ぁ。。。」

「言ってみろよ自分の口で」

「ひど・・・い」

「それはお前だろ」

甘い声と濡れた瞳で俺を煽り続けているっていうのに。

次第だ」

「・・・いじわる、しないでよ」

「大人しく寝るか?」

「今更そんな事―」

「だったらどうする?」

「ッ―バルフレア」

ぎゅうと腕を掴み強請る様な仕草、それに加えて哀願の瞳を揺らめかせる。

「チッ、そんな顔するなよ、反則だろ」

そろそろ自分を抑制しているのも限界が近いと感じの頬を掌で包み唇が触れる僅か手前でもう一度問う。―

「これが最後だ」

「・・・・・・・・」

「俺にどうして欲しいか言えよ」

「っ・・・・・・て・・・」

「聞こえない」

「―・・・私を、抱いて・・よ・ッ」

フッと鼻で笑ったバルフレア。

「上出来だ」

「―んっ」

その言葉を待ち望んだように落ちてきた唇―

バルフレアの身体に押されるように寝台へと誘導されドサリと音を立てて倒れこむ二人。
それでも唇は離れず、交わされる口付けからは粘着質な音が聞こえそうなほど甘くて。

「っは。。。。ぁ」

「本当に嫌いかどうかは身体に聞けば分かる」

「!ぁ・・・いきなり、、やッ」

、これからは嫌だって言えないな」

下腹部に伸ばされた指先はもう彼女の中心に触れていてそこは湿り気を帯びていた。
逃れようもない体の反応には恥ずかしくなり腕で自分の顔を隠す。

「恥ずかしくないさ、俺を感じてる証拠だ」

手を除けさせ額にキスをしてそのままゆっくりと啄むように体中にキスの雨を降らせ、
白い肌に赤い花が咲くように痕を残していく。

服を取り払い彼女の内腿にもそっと唇付け、その奥へと顔をうずめた。
どうなるか分かっていても恥ずかしくて上半身を起こしバルフレアを止めようとする

「ダメッ・・・そんなトコ、バル―っぁあ!!」

指ではないものが触れ感じたことのない甘い衝撃が体中を支配ていく。

「ぁ。。っ、んああッ!」

バルフレアはわざとに水音を響かせの恥辱を煽り反応を楽しむように舌を這わせる。





溢れ出る愛液と甘い声。
荒い呼吸に快楽にピクンと反応する身体―


湧き上がる陵辱に駆られバルフレアは指先をゆっくりと
濡れた秘部に差し入れ、舌では彼女の芯を蹂躙する。

狂ったように声を響かせ、身体をよがらせている


「バル。。ッフレ、アッぁッ―・・」

より一層高くなった声でバルフレアを呼ぶ
搾り出すような声で言葉をもらした。

「・・だ、、、め。もう・・っ」

達してしまいそうだと伝えたいのか、腿を押さえていたバルフレアの手をギュッと掴み引っ張る。

顔を上げを見つめれば瞳に涙を溜めてトロンとした眼差しを向けている。
の腕に導かれるように互いの身体と唇を重ね合わせた―――







頭の先からすっぽりとシーツに包まり一向に
姿を現そうとしないを、やっぱりバルフレアはそれをからかった。

「良い事だったろ?」

「善くない!」

「何だ、嫌だったのか。それにしちゃ反応が」

「もう言わないでよっ!」

と、さっきより益々丸くなった。

「おい、。俺が風邪引くだろ」

「別に」

「本当にいいのか?後で困るのはお前だろ」

「卑怯者」

ぼふりとシーツを羽織ったままでバルフレアの胸元に抱きつく。

「自分を人質に交渉すれば私がすぐ折れると思ってるでしょ」

「思ってる」

「ずるい」

「ずるくない」

「酷い」

「酷くない」





「・・・好き」

「好きだぜ、

シーツ越しからそっと頭を撫でてやればゆっくりとそこから顔を覘かせる。
何だか小動物を思わせるその仕草。

それを可愛いと思ってしまったのだから自分も末期だな、と思った。

「仕方ないか」

「?・・ん」

「いや、何でもない」

「そんな言い方。。。気になるじゃない」

「知りたいか?」

「うん」

「じゃあ、教えてやる。嫌って言うほどな」


―そう告げて、夜と共により一層深く二人は快楽へと沈んでいった。








END