+―  torture  ―+









肩に揺れる水面がの体の境界線を曖昧にしている。

それなのに身を竦めるようにして隠そうとするから余計に見たくなるんだろ。
警戒心をむき出しに上目遣いで見上げるは呻く様に声を出す。











「バルフレア」
「何だよ」
「服、、、どうするの」
「別に」
「早く乾かしたら??」
「後で洗う」
「でも早くしないと食事の時間に」

何とかこの場からバルフレアを遠ざけようとしている。しかし一向に効果はなく、むしろ逆効果だろとバルフレアは内心思う。
どう答えようとも結局同じなのだから。

「洗ってやるから出ろよ」
「残念ですけどもう洗いましたから」
「それは残念だ」
「だから、もう出て下さ―」
「また洗うはめになる」

言葉と同時に感じた水の揺れ。
いきなり太股に触れるバルフレアの手に驚き声をあげた

「どうかしたか?」

悪巧みの笑みをに向けながら開いた方の手が今度は首元へと近づいてくる。それをさせまいと応戦するように体を隠していた片方の手を使い遠ざけた。
しかし、そうしてしまったが最後。もう片方の手が動き出し腕を捉まれ身を守る両の手はない。

無防備な状態のにゆっくりと近づきバルフレア小さく笑う。

「ほら、どうやって防ぐ?」

首筋に触れる寸前で止まり挑発的な低い声音がの体を震わせる。

「ッ―バルフレア、ッ・・・」

何もしていないのに過剰に反応するの体。
少し息を吹きかけるだけでビクつく足。
這う様にしかし未だその唇は何処にも触れず肌では感じるその存在に圧迫されて漏れるのは声にならない吐息。

「・・・ぁ。。。っ」

本当は触れて欲しい。

「―ッ・・は。。。ぁ、ぁ」

その手で

「―っ・・ん、、ぅ、」

その唇で触ってもらいたい。

「ッ・・・・・」

あと少しの距離なのに。暖かい息を感じる事はできでも痺れるような快感は未だに与えてくれない。
弄られるように焦らされて疼く体。息は上がり触られてもいないのに熱いくらい反応している。

それ位相手を欲している淫らな自分。だからバルフレアの言葉を聞き入れる事しか―



耳元まで上がってきた口元が誘惑の言葉を囁く。


「俺の服・・・脱がせてくれ」

ワザとらしいほどに息を吹きかけられる。。。。あぁ。。。もう―

「触らなくていいのか?お前の体に」

触って欲しくて仕方ない。。でも。。。

躊躇するの手をバルフレアは自分の胸元へと引き寄せる。
生理的な涙を浮かばせた瞳を射抜いて、掴まえていたその手を開放してやる。

バルフレアの目線が、沈黙が、正直な自分の体が相手を求めて動き出した。
恥ずかしさで指先がたどたどしい。そんな様子をバルフレアはただ見つめの恥辱心を煽り欲望をかき立てた。
次第に露になる彼の肌に指先が僅かに触れてしまった。

「いやらしい奴」
「!―違ッ・・っは、っゃぁあああ!!!」

ザブンと大きくお湯が揺れ、の体は大きくびくりと跳ね上がった。

「はああッ、、、んぅッ。。!」

バルフレアの指先はの秘部に僅かに埋もれる。
もしここがベッドの上なら間違いなく卑猥な音が出ている事だろう。
表面にそれを感じるほど溢れているのだから―

「・・・・本当にヤラシイ体してるな」

指先は動く事はなく責めるのは言葉だけ。

「、、、、ッふ、、、ぃや、、」
「何もしてないぞ?」
「ぁ。。。」
「まだ途中だろ、服。脱がせてくれよ、、、、

目の前にあるバルフレアの顔。そしてその唇。口付けたくて近寄ろうとすると反対に離れてしまい、もどかしさで歪んだの表情に快感を覚える。
与えるだけじゃ楽しくない、受け取るだけじゃつまらない。逆があるからこそ比例していいんだ。
それを体で感じさせてその快感を増幅させる。
きっとその場にたどり着いた時、聞いたこともないような声が聞けるはずだ――――なぁ、そうだろう?

本当に少しだけ指先を動かす。それだけでは全身で反応を返してくる。

「は、ぁ、、ぁ!、ッツぅ。。。。!!バルフ、、レ、アぁ」

縋る眼差しも、吐息を漏らし僅かに開いた口元も、耐え切れず零れた俺を呼ぶ声も、が俺を焦らす。
互いを待ち望みバランスを保つ欲望の天秤はただ一滴の雫でカタリと傾いてしまった。

瞼を閉じたの瞳から落ちた涙が最後の錘。
生理的なものだとは分かっていても今の自分を誘因するには十分すぎた。
視線を僅かにずらしバルフレアは自分の服に手をかけながらバスタブを出る。
濡れて脱ぎづらいそれを乱暴に取り去ると下へ投げ捨て今度はを指先で呼び寄せた。
それに誘われるようにゆっくりと立ち上がるはバルフレアの元へとフラリと倒れるように近づくと
全てを脱ぎバスチェアに座っている彼に腕を掴まれ目の前へと誘導される。
そしてより近づくように促される。これ以上は近寄れないのに・・・。

「ほら来いよ。ここに」
「―ッ・・・!!!」

グイと引っ張ぱられは前のめりになりバルフレアの両肩に手を乗せ倒れるのを止める。
の胸を自分の顔の前にして上目遣いでその顔を覗きこむ。

「あと少しだろ」

その腰に手を添えて自分を跨ぐ様に誘導させる。もし普段のなら恥ずかしくてこんな事を出来るとは思えなかった。
それよりも勝る欲情は、その存在を欲してされるがまま徐々に降りてくる。その部分が触れ合うとピクリと跳ねた華奢な体。
の手に力が入り息が漏れ、今度はゆっくりと互いの侵食が始まってゆく。

「ふ。。。。は、ァ。。。あうッ、んんッ、、ぁあ!!!」

「ッ・・・・・っく」

ギチリと音がしそうなほどの圧迫感。
包み込むの熱い体内がバルフレアを責め小さく声が漏れた。
しかし未だ深部まで到達していない。
にも拘らず強いその刺激に眉を顰めながらバルフレアはを見つめる。
目をつぶり体を震わせ耐え忍ぶ姿。その顔を堪能した後に舌先をそっと胸元へと伸ばし乳房を口に含む。

「―――-っゥッ!!!!!」

声すら出ないその体を強引に下へと降ろし体を一気に繋げる。

「アッゃ、ッはああああああッツ!!!!!!」

ビクンと弓なりになるの体から発せられた喘ぎ声は狭い浴室に反響し八方から聞えてくる。
強烈な刺激が耳からも与えられ今まで以上に締め上げてくる下部がバルフレアを襲う。

「・・・ッ。。。・・・」

「はぁ、、っは、ぁあ。くぅ、、、ふッああぁ!!」

今度は逆に上へと持ち上げゆっくりと体を動かし始めるバルフレア。
未だ刺激に慣れていないは声をあげてその律動に身を委ねるしかなかった。
空気が薄いのか自分が呼吸をうまく出来ていないのか判らないほど喉の奥が痞えてしまう。
それでも尚続く動き、擦れる程に蓄積してゆく熱は次第にを限界まで押し上げてゆく。
バルフレアの首に腕を廻し強く抱き付こうとするがその手は遮られてしまう。

「、、ッバル」

不安定なまま続くその行為に最早体は耐え切れなくなりの手に力が篭る。

「―ッツあぁ、、、も、ぅッ、ダ、、、、ハァ、、ああぁあッぁぁあああ!!!」

頬に伝う汗と涙がライトに照らされ、達したの恍惚な表情を一層厭らしくさせる。
ビクンと痙攣する脚と収縮している内部。
気持ちのいい光景をもっと長く、もっと深く味わいたくなったバルフレアはの背中に腕を廻し
余韻を残したままのその体を抱き上げると今度はベッドで彼女を翻弄し続けた。。。。。








ハッキリしない意識、霞む瞳に映ったその姿は紛れもなく彼。
穏やかな表情で見つめるバルフレアをは力が入らない手で押して遠ざけようとする。

「もう、、ヤ」

もう一度胸元を押すその様子にバルフレアはクスリと笑う。

「もうしないさ」

「本当に・・・?」

「ああ、今日はな」

「・・・・・・・」

呆けた顔のはそのままジィとバルフレアを見る。
何故いつも自分だけがこんなにも蹂躙されなければならないのか。
落ち着いている相手と限界に近い自分。。。。。
頭をそっと撫でる優しい手に眠りに落とされそうになりながらポソリと呟いた。

「違いすぎるのよ。。。。」

「ん?」

「どうして私だけこんな、、、、」

「何?」

語尾が聞き取れず近寄るバルフレアに強く抱きつき寝返る様に体を捻ろうとする
しかし逆にねじ伏せられ体を押さえつけられる。

「ち、違うの!!私はッ―」

見つめてくるその瞳に焦りながら弁解しても今更だった。

「何だ、まだ足りないのか」

「や、聞いて!私はね、、、っ」

「ああ、聞いてやるよ」

そう言って近づくバルフレアに身じろぐ

「さぁ、答えてくれ」

「バ、ルッ・・・ァあアッ。。。!!」

そしてまた言葉は喘ぎに変わり、愛情は欲望に変化する。
未だ続くその行為に最早体は反応しバルフレアをその内側へとのみ込んでいった---―――――









END